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ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA 40年のありったけ 日本武道館 追加公演 感想

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武道館公演に行ってきました。
正直参戦するか迷って、一度は行かないと決めていたんですが、
前日に気が変わり、当日券予約を済ませ、定時ダッシュで開演数分前に会場に到着。
券買って息上がりながら南スタンド最後方付近の席に着席。


定時後武道館に走るなんてのは初めてではないのですが、事前に券も持たないまま(当日券予約はWEBで実施されたが、支払い発見は現地窓口でのみ・かつ開演時刻過ぎたら無効なので最悪音漏れだけというおそれもあった)走るのはさすがに自分ちょっとアレやなと思いはしました。

ただ、ASKAに関してはそこまでさせるだけの歴史があるのでね。
自分が初めてライブに行ったのは2001年なのでもはや20年近くファンやっているわけです。
ビビりますよね。間に活動休止期間が何度かあるとはいえ20年て。
まぁツアータイトルにもある通り、ASKA自身は今年でデビューから40年経つわけで、そういう意味では自分なんぞにわかですが。全盛期(と世間では言われている)のころは物心ついてないし……


武道館でライブを見るのはおそらく昨年のリスアニ以来。
ここ、でかいのはでかいんですが、演者をあまり遠く感じない作りなので
席微妙でもわりと楽しめますね。

開演時刻から数分経ち、客電が落とされ、OP曲(「1964 to 2020」で合ってたっけか)が流れ、幕が上がる。
赤黒のジャケットに身を包んだASKAが声を上げ、音楽が始まる。

冒頭2曲目の「ONE」のイントロがかかった瞬間スイッチが入った。
前回のビルボードクラシックでは味わえなかった「帰ってきた」感。
最後にASKAのライブに行ったのはおそらく2009年か2010年のはずで、そこから早10年近くだが、この、このライブを観たかったんですよ。あのとき、2013年にさぁ!

「ONE」は1997年発表のアルバム表題曲。同時期に発表されたシングル「ID」とともに、90年代前半までのきらびやかなサウンドから完全に脱却してて大好きな曲です。
ラフに、気怠さも差し込むような曲調は、全盛期の声を張り上げる曲よりいまの声に合う。
バンドもイントロのドラム一発目から雰囲気をガラッと変えててすごくノレる。

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ところで今更なんですが、チャゲアス関係の現場って基本立ちで手拍子打つか座ってじっくり聞くかの二択しか観客のアクションがないんすよね。
まぁ光り物振るのも違うような気がするし、いくら早めのロックな曲でもオイオイ叫ぶよりはバンドのソロ聴く方が正解だし、そもそも観客の年齢層もさすがに結構いってるし、今の若いバンドなりアーティストなりの現場と比べてもしゃあないんですが、ゆうて手拍子だけってのもなんだなと思う今日この頃。
とはいえ自分も手拍子に乗るか、勝手に高まって頭と体揺らすぐらいしかしてないが。

……などと書いていて思い出したけど、2003か2004のtwo-five広島で隣の「お姉さん」がASKAの団扇もってドル現場ばりにはしゃいでたな。ナリはキツかったが精神性は嫌いじゃない。


閑話休題
3曲目、スポットライトの中「君はこころで 君は遠くで 素敵な人で」とフレーズを紡ぐASKA。「あーこれなんだっけ、これなんだっけこれすきなやつこれ」と頭を抱える俺。

「明け方の君」ですよ。こんなことある?多分俺初めて生で聴くよ。
1991年発表のアルバム「TREE」。「SAY YES」も収録されたまさに大ヒット時期のナンバー。
「慌てて履いた靴で 朝の駅に向かう」とさわやかにのびやかに歌う哀しい曲。

これがいま自分の目の前で再現されていることが嬉しいよ。
で、これを叩いてるのが当時チャゲアスのバックバンドだった菅沼孝三
80年代後半〜99年まで(千年夜一夜ライブ入れるなら2000年もか)、彼らが爆発的にヒットした時代、そしてアジア各国の海外公演をともにしたドラマー。
もちろん自分は生でみるのは初めて。本当感慨深かったすな。

今回参加を決めたのも、バックバンドに菅沼氏とコーラスの西司氏が参加しているということを知ったところが大きい。
両名とも、自分がライブに行き始めたころにはすでにASKAのサポートから外れてて、古いライブビデオでしかその存在を知らなかったのです。
まぁ陳腐な言い方すれば自分の中では伝説化している人たちなので、そのメンバーでのライブはぜひ見ておかねばと思ってさ。江口信夫も好きだけれども
(そういう意味では今は梶浦由記についてる是永功一氏も、いつか共演を観てみたい。kalafina現場ではお目にかかっているが…)


3曲目終わりでMCだったかな。そんで、次が「cry」。これも大好きな曲なんだけれど、
やはりこの曲のベストバウトは2005年のMy Game is ASKA公演のものなのでそこにはちょっと及ばなかったかなという印象。

ところでマイゲー、DVDは実家にあるんですけど、これ今こそ観返したいライブですわ。BD買おうかしら。
あの公演、ASKAバンドが一新されてたから当時はそれまでより一枚落ちると感じてはいたものの、とはいえ1曲目の「君が愛を語れ」はベスト級のアレンジ&歌唱だったし、loopのライブ版の化けっぷりや、cry、君は薔薇より美しいのカバーなど、他では代えがたい良さもあるんですよねー。
コーラスのSHUUBIは現地でCD買ってそのシングルだけいまでもたまに聴いていたりする。


そして続けてきたのは「Girl」
1998年発表のシングル曲で、ライブでも毎回やってるような定番曲。
なのでいまさら驚きもないんですけど、でもよ、この曲がバンドで当時と同じように演奏されるのがいまやどんなに貴重なことか。
ASKAの声もここから本当に10年以上前と同じように歌ってて、タイムスリップしたかのような気分でした。

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古川昌義のガットギターのイントロリフも素晴らしい。昔自分も真似してやろうとして結局うまくできなかったことを思い出す。
また今回は、間奏で古川のギターからクラッシャーのバイオリンへとソロ回しが続く。
これもまた原曲のもの悲しさを踏まえつつも熱い演奏でよかった。

憲兵も王様も居ない城」は前も聴いた気がするんだが音源持ってないのでなんとも。
曲調はあまり好きではないです。途中で「黄昏を待たずに」のフレーズ入れてきたのが「あっ、そんなことするー?」て感じで頭抱えたんですが、とはいえ黄昏を今フルでやってもしょっぱいアレンジになるだけだしなー。

「Man and Woman」
曲としてはかなりの完成度だし自分も好きなんですが、ライブで割と採用率高いので食傷気味ってところはある。


8曲目の「めぐり逢い」は素晴らしかった。
95年のCHAGE&ASKA名義のシングル。この曲、シングルの中でも特に好きな楽曲のひとつで、
中学生の頃の俺は毎日枕元のCDプレイヤーを再生して、2サビ後の展開のエモさに涙してたもので。

「どんなに暖めても 孵りぞこないの 勇気がある 形にならない美しさは 夢から覚めても切なくて」

「乗り遅れたバスを 見送る人を見よう ふたりここで 揺られながら」

歌詞もメロもどうしてこんな表現できんのレベルの切なさで、すごくすごくお気に入りなんですね。

声の調子も良くて、心配せずに堪能できたのだけれども、1点ケチつけるなら、これは原曲アレンジでやって欲しかったなあと。
Cメロ後のサビ回しも短縮されてたし、コーラスも原曲から削られてた部分あったし、正直そこは完全再現してほしかったところではあります。
いやもう本当ケチつけるとしたらそこぐらいで、ってなクオリティだったのだけど。

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続く「MOON LIGHT BLUES」は、キーを落としてますます重く、大人な曲になったver。
まぁこれも原キーで高いとこをさらっていく方が好きだよ?好きなんだが、このアレンジも年相応に脂乗ってて悪くないっす。


発表当時の思いを語った後演奏されたのが「はじまりはいつも雨」。
間違いなくASKA名義で最も世に知れ渡った曲でしょう。
ASKAも大事そうに歌っていたのが伝わる。今だからこそ、ね。
自分は何年もASKAのライブに行ってた人なので、当然アレンジ版含め何度も何度も生で聴いたことがある。
でも、この曲はいいよね。本当に当時から楽曲が完成されてて、古臭くならず、色褪せず、いまでもそこに在り続ける。強い。

そして11曲目「いろんな人が歌ってきたように」
自分この曲をいまだに音源で持っていないのだけれども(2010年代の楽曲は復帰後のアルバム2枚以外はASKACHAGEも手に取っていないのだ……逆に言えばそれ以外はあるのだが)
この曲は素直に名曲だなと思う。Aメロからのちょっとくたびれた歌いまわしはあまり好きではないのだが、サビの力強い展開、大作感。これをこの年で出すのかという驚きは当時からあったっすね。


歌い終えた後、10分の休憩というか、もぐもぐタイムっていうんですか? 全く把握してないし昔はなかったやつなので困惑しましたけど。
メンバーとの仲良さげな感じがみられるのはいいかなと思います。
ただ、休憩にするなら完全に楽屋でやってくれた方が素直に煙草とかトイレとか行きやすいんだよなぁ……
そして、休憩中にレス欲しさにわけのわからんこと叫ぶオッサンがなかなか厳しかった。

いやほんと客層変わったんだと思います。以前は男って一定数いるけどあまり存在感なかったイメージなんですが、今回みてみればやたらわーわー騒ぐのが増えた印象。これが場の盛り上がりに寄与してるなら結構なんですけどね。
てか学生キャッシュバックとかやってたらしいのですが、学生って本当にいたんですか?? 自分より年齢若そうな人ざっと見た限りいなかったんですけど……



後半戦1曲目は「FUKUOKA」。ここでASKAスタンドからマイクを外し、ステージに腰掛けながらしっとり歌う。
この曲の完成度は素晴らしかったですな。ASKAの声、たまに弦楽器のようにきれいに響いてきこえるときあるんですけど、この曲まさにそれでしたわ。



メンバー紹介ってこのタイミングでしたっけ。
菅沼孝三のドラムソロ披露はさすがすぎて、ちゃんと生で体験できて幸せでした。
メッケン、鈴川さん、古川さん、クラッシャー木村、澤近さんはまぁおなじみ。おなじみメンツでもこれだけ間が空いたらそこにいるだけで嬉しみ溢れますがね。
西司さんは映像で観た時よりはさすがに老けたけど、笑顔と声は変わらず素敵すな。
藤田真由美さんはASKAバンドに参加する以前からペルソナで知ってて、まさかASKAと一緒にやるんだという驚きはあった。クリアな声が強く乗ってて相性もよいかと。




13曲目からはノンストップで熱い時間でした。
「LOVE SONG」は超久しぶりに聴いてやっぱ名曲オブ名曲だと思わされたし、大サビ前に高く高くのぼっていく声、正直いまでもあそこいけるんだというのは驚きだったし嬉しかったな。

「リハーサル」「と、いう話さ」は復帰後1枚目のアルバムの中でもロックに振れたナンバーで初めて聴いた時からお気に入りだった。
それがいま目の前で再現されてて、本当に、帰ってきて、新しい姿をみせるASKAがそこにいると思えた。
「と、いう話さ」のクオリティについてはまだまだこれ以上のものがあると期待したい。もっと血沸き肉躍らせてくれ!

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ところで、クラッシャー木村がアウトロで激アツなソロをかましてたのはどの曲でしたっけ……?? 誰か教えてください


「晴天を誉めるなら夕暮れを待て」はASKAソロの公演においてやはり外せないすよね。
さすがにサビで跳ねることはなかったが、それでも変わらず力強く歌うのが素晴らしすぎた。
バンドもわいわい動き出すし、この曲は掛け値なしに楽しいっすね。アリーナにいたら跳んでたかもしれない。

youtu.be


「ロケットの樹の下で」今回のベスト。
冒頭アコギ1本で歌うAメロが、当時と同等かそれ以上に説得力のある声で、ちょっとじわりときました。

youtu.be


「今がいちばんいい」
明るく歌い上げ、盛り上がり、ラストとしてはよい曲だと思います。
ただ、あまりハマれないんだよなーー。歌詞にも共感はするのだけれど、もうちっと比喩おっかぶせてゴテゴテした方が好み


散文詩、これはとてもよかった。
全文覚えてはいないですが、この青い星がもうすぐ終わり、我々はその「お引越し」に間に合わない。「いつか地球という青い星があってね…」というおとぎ話になるだろう。
でも、いいじゃないか。愛を知った僕らが、おとぎ話になるんだ 最高じゃないか

という内容。「お引越し」「おとぎ話」というセンスがよいね。

「歌になりたい」
新曲(だよね?)
高く伸びてく感じはよいかと思います。
ただ、まだ曲の輪郭がつかめていないので、感想はなんとも



わずかな時間のアンコールを経て1曲目。
みんな知ってる曲。そりゃこの客層ならそうだろうが。
名曲には違いないんだが、この手のASKA自身が若いころに流行った歌のモノマネカバーってあんま好きじゃないのよ。

自分もさすがにサビの振りは知ってるけど、Aメロとかで迷いなく拳突き出すふりつけやってるアリーナ前方とか見て、「世代差〜」となるるなど。


「YAH YAH YAH」
12月にやったクラシックの時が絶不調で(というかあの公演は自分の中で黒歴史化されてるのであまり思い出したくもないが)拳を突き上げるか否かもどうするよって感はあったのですが、
ここまでのクオリティと、この歳になっても後半までガンガン叫び続ける姿をみたらわだかまりも解消するわな。
まぁ今回披露されたチャゲアス曲は総じて「CHAGEを呼べ」と言いたくなる感じだが。出来がいいからこそ。


「UNI-VERSE」
「ラストはどうせSAY YESだろ、ハイ予定調和」とか腐れてたんで、この曲が来たのはまぁ良いかな。
まぁラスト何するか問題で、今日この日の締めに「同じ時代を」とか「けれど空は青」とかぶっこまれても不満たらたらだったと思うんで……(曲自体は好きですが)
いまだに新曲感あるけどすでに10年前の曲なのよねこれ……

アウトロで呟くように歌うパート、まぁ大サビで盛り上がった後に温度を下げるような展開だが、自分は好きです。



【総評】
去年のビルボードクラシックのときはさすがにファン辞めるかってレベルで落ち込んだので、
正直今回も最初は行かない選択をしていたのですが、行ってよかったです。
全然完璧じゃないですが、まだこれだけのものを魅せてくれるんなら、これからもライブに足を運ぼうかなと思えるほどにはいい公演でした。まぁ色々disっちゃいましたが。

てか「東京」はなぜやらんかったん?あれこそいろんなことがあっても、それでもASKAASKAである証左みたいな曲だと思うのだが。


まぁ御本人も還暦過ぎたし、自分自身も三十路入って、もはや望むものってなくて。
新曲出さなくていいしチャゲアス無理に再結成しなくていいし私生活もブログも好きにすりゃいいじゃん派ではあるんですが、今回観たら少し欲が出るよね。


ASKAソロはkicks曲中心のゴリゴリなロックのライブをまた観たいし、チャゲアスだって最後に1回だけでもいいのでこれまでの集大成的なライブやってから終わって欲しさはあるんですよねー。
できれば二人とも完璧に歌えなくなる前に。

いまでも日本で1番すごくて、歌上手いアーティストはこの2人だと思ってるし、自分は腹の中にいた頃からある意味聴いてたところはあるので、こんなもんじゃないというところを見せて欲しいです。


【セットリスト】
ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA 40年のありったけ
日本武道館 追加公演

1.未来の勲章
2.ONE
3.明け方の君
4.cry
5.Girl
6.憲兵も王様も居ない城
7.Man and Woman
8.めぐり逢い
9.MOONLIGHT BLUES
10.はじまりはいつも雨
11.いろんな人が歌ってきたように
12.FUKUOKA
13.LOVE SONG
14.リハーサル
15.と、いう話さ
16.晴天を誉めるなら夕暮れを待て
17.ロケットの樹の下で
18.今がいちばんいい
19.散文詩〜歌になりたい

アンコール

20.Y.M.C.A
21.YAH YAH YAH
22.UNI-VERSE